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自己破産-リアークト法律事務所- 破産をすると、どんな影響があるの?②(ブラックリストへの登録)

破産をすると、どんな影響があるの?②(ブラックリストへの登録)

時折、借金に苦しんでいる相談者の方の中には、「破産をすると、今後の生活に大きなデメリットがある」と考えていらっしゃる方がいます。

そこで、本コラムでは、破産をした場合にどのようなことが起きるのか、について説明します。

 

破産のデメリットの大きな1つとして、多くの方に受け止められてこととして、「破産をすると、ブラックリストに載る」ということが挙げられます。

しかし、「ブラックリスト」という何かのリストが、世の中に出回っているわけではありませんし、「ブラックリスト」が何なのかを説明できる方は、あまりいらっしゃらないと思います。

いわゆる「ブラックリスト」とは、「信用情報機関の保管する信用情報」のことです。

信用情報とは、クレジットやローン契約の申し込みに関する情報のことで、個人の属性・契約内容・支払状況・残債額などをいいます。

また、信用情報機関とは、「加盟会員」から「信用情報」を収集し、「加盟会員」の照会に対して「信用情報」を提供する機関のことです。

少し分かりにくいので、以下、具体例で説明します。

Xさんは、10万円を借りたいので、A銀行に、借入れの申し込みをします。

申し込みがあると、A銀行は、Ⅹさんにお金を貸すかどうかを検討します。

そのとき、A銀行は、Xさんの信用情報を確認するため、信用情報機関に問い合わせをします。

問い合わせを受けた信用情報機関は、「他の加盟会員」から集めたXさんの「信用情報」をA銀行に回答します。

A銀行は、そのほかにも、Xさんの収入を確認するなどの「信用調査」を行い、Xさんに10万円を貸すことを決めて、お金を貸します。

その後、A銀行は、Xさんにお金を貸した後、返済が滞ったり、自己破産が申し立てられると、「信用情報機関」に対し、「Xさんの返済が滞っていること」や「Xさんが自己破産をしたこと」を報告します。

報告を受けた信用情報機関は、その事実を「Xさんの信用情報」として保管し、別の加盟会員から問い合わせがあった時には、その情報を回答します。

このように、信用情報機関の保管する「信用情報」に、自分の悪い信用情報が記録されることを、多くの場合、「ブラックリストに載る」と表現されています。

自己破産をすると、破産をした事実が、債権者を通じて信用情報機関に登録されます。

そのため、自己破産をした後、それまで取引のない他の金融機関(たとえば、B銀行)から新たにお金を借り入れようとした場合でも、信用情報機関に問い合わせると、B銀行は、Xさんが破産をしたことがわかってしまう、ということになります。

では、「ブラックリスト」(=信用情報)は、いつまで保管されているのでしょうか?

例えば、割賦販売法や貸金業法の指定信用情報機関として指定されている株式会社シー・アイーシー(以下「CIC」)では、5年間保管されるようです。

「当社で保有するクレジット情報の保有期間は、契約中および契約終了から5年間です。したがいまして、破産の場合は免責許可決定が確認できた会員会社によるコメントが登録された報告日が起算点ということになります。」

参照URL  https://www.cic.co.jp/faq/detail/cre/cre01/002585.html

そのため、CICでは、自己破産をした後、免責許可を得て5年が経過すると、「自己破産をしたこと」の情報が削除されることになります。

そのため、CICでは、「5年間を経過すると、ブラックリストから消える」ということができます。

なお、信用情報機関には、CICのほか、株式会社日本信用情報機関(JICC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)があり、それぞれの機関同士で情報共有を実施しています。

 

(※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、執筆時点のものであり、将来変更される可能性があります。)

執筆日:令和4年5月10日